練習を繰り返しても、とにかくうまくいかないと嘆く人が多いのが「ハイバック」ですよね。特に遠くに飛ばせないことに悩みを持ったり、繋ぎとしてネット前に返したいのに浮いてしまう、なんて悩みが多いです。
実際、ハイバックが得意です!好きです!なんていう人は聞いたことがありません。
ハイバックは他のショットと異なり、対戦相手に対して背を向けて打つことが特徴で、バック奥に追い込まれた際に活用するショットです。ラウンドショットで入れない、腰を痛めていて反れない!そんあ人も多用することになるでしょう。
今回はそんな「ハイバック」についてKOKACAREバドミントンスクールのコーチ陣が解説してくれているので紹介します。
なぜハイバックって難しいの?
そもそもハイバックってなんでこんなに難しいのか、ハイバックの動作は生活や練習で使うことがない特有の動作だからでしょう。どうしてもフォアハンドに比べると強い球が打ちづらいバックハンドであり、それにプラスしてネットに背を向けて打ちます。だから、とりあえず当てるだけ、とりあえず返すだけなど逃げる球になりがちです。
一つ注意して考えて欲しいのは、ハイバックで取ろうとする球はラウンドで入って取ることもできた球だったということです。どちらもやってみれば分かりますが、ラウンドよりもハイバックで入ったほうが体は楽ができます。
ハイバックを覚えてしまうと、ラウンドで入ることをやめてしまう方がいるので、そうはならないように、ラウンドでも入れることを忘れないようにしてください。
ハイバックの打ち方
基本となるハイバックの打ち方は、バックハンド側奥に飛んできたシャトルに対して、ネットに背を向けて入り、肩→肘→手首の順で伸ばして打ちます。 肩から入ることで手打ちを防げます。打ち終わりは体を回転させて前に出ていくイメージです。
ハイバックについては、言葉で説明するよりもうまい人のプレーを見ること、そして自分で試行錯誤しながら、自分にあった打ち方を探ることが上達への近道です。
ひでコーチのハイバックを見てみよう
ひでコーチが動画の中で説明しているのは「力はいらない」ということです。腕や手に力を入れて打つというよりは、逆で脱力が大切です。脱力した状態でシャトルの下に入り、打つ瞬間にに体全体を広げて打ちます。フォア側のオーバーヘッドストロークと同じように、腰の回転を使う、打つ瞬間に力を入れる、ラケットと体をしならせて「遠心力」を使って飛ばす、ということです。
黄色の矢印部分に注目して欲しいのですが、打つ前に体が縮こまり打った瞬間に開く、この動作によってシャトルに力が加わります。これが手打ちではない体全体を使った「ハイバック」の打ち方です。
右二つの画像はハイバックでクリアーを打っており、左はネット前に落とすドロップを打っています。
この二つの決定的な違いは肘の位置です。クリアーは肘が上に出して鞭を打つように振るイメージ、ドロップは肘を固定して肘より先で調整しています。打ち方に違いがありますが、シャトルの下に入るまでの動作は相手にバレないように一緒の動作となっています。
ラケットの持ち方
親指で押すというより、引っかけた三本の指もラケットと一体化したように鞭のように振っていきます。短く持つよりも長く持つことで遠心力が使えます。
中指・薬指・小指で持って親指は添える形でコントロールするときに使いましょう。
フォア側と同じように
クリアーが飛ばない!という方も、体重が後ろに残っているよりも前に出ることで力が伝わり飛ぶと思います。ハイバックも同じように打ったら前にでる意識です。
また、足がついてから振ったほうが飛ぶと、ひでコーチは言ってます。足と手を一緒に出すのか、足を出して体幹を安定させてから打つのか、自分に合った打ち方を探ってみましょう。
ちなみに私も足をついてから打つほうが、しっかり体全体の力を伝えることができると思います。
こーたつコーチのハイバックの繋ぎを見てみよう!
ネットギリギリを狙うのではなく、強めにハーフ辺りに流すように打ちます。山なりではなく打点から真っすぐ真横に飛んでいくイメージです。こちらの動画でも「しっかり体を回す」ということをポイントとしています。体を回すことでシャトルに力が伝わるとともに、次への準備もしやすくなります。
強く打って繋ぎのショットとして使うために、ハイバック→ネット前→ハイバック→ネット前、と連続して前後の動きの練習が実践に活かせます。
ハイバックの悪い見本
動画の最後に悪い見本をこーたつコーチが見せてくれています!
打つタイミングがずれる(遅れる)と山なりに大きく浮いてしまいます。見極めるのが難しいかもしれませんが、遅れたと思ったら打点を下に落としてロブを打つように返しましょう。
また、体は残って手だけで振るのもミスに繋がります。打ちながら前に出る意識を忘れないで下さい。
バックバック?ローバック?レディース選手のハイバック
ハイバックは女性にはできないよ!
バックバック教えて、ローバック教えて
なんて声を何度か聞いたことがあります。その方々は、ハイバックは肘を上げて顔より上で打つ、ローバック(バックバック)は腰よりも下で打つイメージを持っているようです。ハイバックよりも打点を下げた位置で打ちます。
テニスのようにタメを作って大振りしています。こちらの打ち方をしたい場合も、飛ばすポイントは同じです。シャトルのコルクを自分が強く振れるタイミングで打つ、相手に背中を見せるような形で体を縮こめてから打つ瞬間に開きながら前に出ていくイメージです。
・軸足で回転・足の向き・面・力み・振り抜きを意識して練習してみましょう。
手投げノックで練習して欲しいのですが、体の真横で打つようにしましょう。ハイバックのように斜め後ろに下がって打つより、自分の懐で打てるように立ち位置を工夫してください。
遠くに飛ばさなきゃいけないの?
皆さんクリアーのように遠くに飛ばしたい、と言いますが試合中必ずしも遠くに飛ばす必要があるとは思えません。ドライブを打つように流す形で、力を入れず浮かない球を打てば自分の戻りは速くなり次への準備ができます。また、リズムよく攻撃できていたのに、バック奥にシャトルが来たからと言って大きく返せば、また一からラリーを作っていかないといけません。
リズムよく攻撃を続けるためにドライブで返して次の球を狙う、ということもできると思います。
まとめ
ハイバックはとにかく数をこなすことが大切です。
人それぞれ感覚は違うので、自分にしっくりくるものを試行錯誤しながら取り組んでみましょう。ハイバックで入るよりもラウンドで入ったほうが攻撃に繋がりやすいので、ラウンドで入ることをおすすめします。ただ、ラウンドで入るよりもハイバックで入るほうが体力的に楽で、ハイバックを覚えてしまうと毎回ハイバックで入るようになってしまいます。
だからジュニアチームではハイバックで入ることを極力させないし、私自身もそう言われてきました。高齢になって始めた方は、無理にラウンドで入って「止まれない」「腰を痛めやすい」等あれば、ハイバックの習得を早めに取り組んだほうがいかもしれませんね。
動画を参考に、ハイバックの練習に取り組んでみてください。
KOKACAREバドミントンスクールコーチ。小学生からバドミントンを始め、岡崎城西高校・早稲田大学・豊田通商バドミントン部で活躍。インターハイ準優勝、インカレベスト8などの輝かしい成績を残している。2児の母として、子育てをしながら、コーチとして、今までの経験を活かし、『できた!!』が溢れるレッスンを心がけている。
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