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『どうアドバイスする?』バドミントンのゲーム間に効果的なアドバイス【Part1】

KOKACAREバドミントンスクール、ヘッドコーチの竹内裕詞です。監督・コーチはもちろん、試合中のアドバイスをする役目の上級生ならば必ず思ったことがある悩み。『選手にどうアドバイスしよう…?』

多分感じたことがない人は、むしろ『選手目線でのアドバイスが出来ていない』可能性が高く危険です。『戦っている選手の何か力になれるアドバイスは何か?』、時には『どう励ましたらいいのか?』、そもそも『今は冷静にさせた方がいいのか?』など。

そう思うということは、『あなたが戦っている選手にとって、素晴らしいパートナーになれていること』を指しています。

ただ、せっかくアドバイスするのであれば、理論に基づいてアドバイスをしたいですよね?

今回は、理論に基づいた適切なアドバイスの方法について紹介していきます。

逆U字原理を覚えよう!

まず選手にアドバイスをする場合の考え方として、逆U字原理という理論が参考になります。まずこの原理を踏まえて、ゲーム間でどうアドバイスをするか考えていきましょう!

逆U字原理【inverted-Uprinciple】とは、覚醒の水準によってスポーツパフォーマンスが異なることを示すものです。覚醒とは、中枢神経の興奮の度合いを言います。簡単に言うと、『選手がヒートアップしているかどうか?』。大きい声を出しているときは、中枢神経が興奮していると言えます。

では次に以下のグラフを見ていきましょう!

(引用)バドミントン教本Q&A

図は、横軸に『覚醒水準(どれくらい興奮しているか?)』を示していて、左から右につれて、より興奮している状態を指しています。

一方、縦軸は『パフォーマンス(出来ばえ・性能・機能・効率)』を示していて。上にいくにつれてパフォーマンスが向上します。

そして面白いことに、スポーツ種目によって、この中枢神経を興奮させた方がいいのか、そうでないのかが違うのです。

①左の逆U字(興奮度低い→パフォーマンス高い)

スポーツ種目例:アーチェリー・ゴルフなど

左の逆U字は小さな筋肉を中心に動かし、中枢神経をあまり興奮させず冷静さを保つことで最高のパフォーマンスを得るスポーツ種目です。こういうスポーツの場合は、興奮させないことが大切で、コーチは選手を落ち着かせるようにアドバイスするのがオススメです。

②右の逆U字(興奮度高い→パフォーマンス高い)

スポーツ種目例:相撲・ラグビーなど

右の逆U字は、大きな筋をダイナミックに使い、なおかつ中枢神経を興奮させて行うことで、最高のパフォーマンスを発揮するスポーツ種目です。こういうスポーツの場合は、興奮度を上げるよう促すのが大事で、試合も選手たちを鼓舞するよう勇気付けしてあげることが大切です。

③真ん中の逆U字(興奮度中→パフォーマンス高)

スポーツ種目例:バドミントンなど

真ん中の逆U字は、大きな筋をダイナミックに使いながらも、小さな筋肉も使い繊細な場面も必要とされるスポーツ種目です。バドミントンはこれに当たります。

では、どうアドバイスする?

バドミントンは、大筋群を使ってジャンプしたり、スマッシュを打ったりしますが、指や腕全体の小筋群でシャトルをコントロールすることも要求されるスポーツですね。バドミントンは試合中、興奮しすぎてもいけないし、冷静すぎてもパフォーマンスが低下すると考えます。

アドバイスするときの注意点は3つです。

①選手がどのような興奮状態なのかを見極める
→言動・声の大きさ・表情・ミスの多さ、などで客観的に分析する

② ①に基づいて興奮度を『〜過ぎない』状態にする
→興奮し”過ぎ”であれば冷静になるよう言葉かけをする
→落胆し”過ぎ”であれば勇気づける言葉をかける

③選手自身に『興奮度』を自覚させるようにする
→ゲーム間はアドバイスできるが、試合中は自分でコントロールするしかない。だからこそ、自分で自分のメンタルを自覚させ、修正させる。

③については、試合の時にいきなりアドバイスしても、効果は低いでしょう。というより、『コーチ急に何を言い始めたんだ??』と試合の邪魔をしてしまう可能性もあります。

だからこそ、日々の練習から、この『逆U字原理』を選手に伝え、適切なメンタル状態をコントロールするようトレーニングすることが大切です。

すると、試合でのアドバイスで、自分のメンタルをコーチのアドバイスを元に微調整することが可能になります。

今日は『逆U字原理』という理論に基づいて、ゲーム間でのアドバイスについて紹介していきました。コーチのアドバイス次第で、バドミントンの試合は大きく変わると言われています。

適切なアドバイスができるよう、監督・コーチ・チームの上級生は知識を深めていきましょう。

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