KOKACAREバドミントンスクール、ヘッドコーチの竹内裕詞です。バドミントンはコート内を縦横無尽に動き回るスポーツですね!だからこそ、ほんの少しのスピードの差が勝敗を分けてしまう。
だからこそ、指導者からも、選手からも『フットワークを速くするにはどうしたらいいの?』という質問をよくもらいます。
今回はフットワークを速くするためのトレーニングについて紹介していきます!
どの場面かで、トレーニング方法が違う
まず全てに共通するトレーニング方法があるわけではなく、場面ごとでトレーニング方法が違うことを認識しておきましょう!
その上で、どの場面で、どんな動作をしていて、どんなトレーニングが必要なのかを見ていきます。
まず全体をまとめたのが以下の画像になります。
①動き始め
動き始めには2パターンあります。
【1】対戦相手がショットを打つ際に、床を強く蹴る。 『慣性』を破り、素早く動き始めるために必要な動作で、床を強く蹴るためのトレーニング方法としては、縄跳び・ジャンプトレーニングがあります。 |
【2】床を強く蹴る前に、細かなステップで調整する タイミングを取るために必要なもので、床を蹴った後に素早く小さく1〜2歩を出します。トレーニング方法としては、ラダートレーニング、ステップトレーニング、ドットドリルトレーニングがあります。 |
②コート後方
コート後方は3パターンあります。
【1】スマッシュやクリアをするときに、ジャンプ コート後方ではジャンプをしてスマッシュやクリアなどを打ちます。このシーンでのトレーニング方法は、ジャンプトレーニングです。 |
【2】左右の足を空中で入れ替え→左足で着地→前方に強く蹴る コート後方では左右の足を空中で入れ替え、左足で着地し、前方に強く蹴る動作を行います。トレーニング方法は、下腿三頭筋(ふくらはぎ)の最大筋力トレーニングです。 |
【3】腹筋と背筋で上半身を固定する コート後方で上半身を反らし、やっとシャトルをとらえた場合は、腹筋と背筋が同時に大きな力を出し上半身を固定します。固定するためには、腹筋と背筋の最大筋力トレーニングが必要になります。 |
③コート前方
コート前方には2パターンあります。
【1】右足を固定して、ホームポジション方向に立ち直る ネット前で右足を出して、固定してシャトルを打ちます。打ったあと歩幅が広い場合は、左足を右足に引きつけて立ち直ります。 歩幅が狭い場合は右足をホームポジション方向に戻して立ち直ります。 この時にメインで使う筋肉は大腿四頭筋とハムストリングです。 そのため、これらの最大筋力トレーニングが必要となります。 |
【2】傾いた体勢を立て直す ネット前でやっとシャトルをとった場合、上半身が前方に傾き体勢が崩れます。傾いた上半身を元に戻し、立ち直りを速くするためには、広背筋や脊柱起立筋などの最大筋力トレーニングが必要です。 |
④サイド
サイドには2パターンあります。
【1】右足をサイドで固定して、ホームポジション方向に立ち直る サイドでスマッシュレシーブやドライブを打つ際、右足を固定し、打ったあと歩幅が広い場合は、左足を右足に引きつけて立ち直ります。 歩幅が狭い場合は、右足をホームポジション方向に戻して立ち直ります。 このときにメインで使う筋肉は、大腿四頭筋・ハムストリング・内転筋。 これらの最大筋力トレーニングが重要です。 |
【2】サイドに、傾いた体勢を立て直す サイドで相手のスマッシュをやっとレシーブした場合、上半身が横に傾き、体勢が崩れます。 傾いた上半身を元に戻し、立ち直りを速くするためには、固有背筋・腹斜筋などの最大筋力トレーニングが求められます。 |
⑤移動局面
動き始めてから、コートのライン際へ移動したり、後方でショットを打ち前方へ移動する局面などを、移動局面といいます。
継ぎ足・ツーステップ・サイドステップ・フロントクロスステップ・バッククロスステップ これらの動作がメインで、ランニングやダッシュなどの走る動作は少ないです。トレーニング方法は、ラダートレーニング、ステップトレーニング、ドットドリルトレーニングなどです。 |
以上をまとめたのが、こちらの表です。
全て右利きの選手を対象とした表現で示していますので、左利きの選手は右と左を逆にして読んでもらえればOKです!
今回紹介したのは、ノックやフットワークとは違う、基礎トレーニングについてです。このトレーニングを土台にした上で、さらなる専門トレーニングを行なっていきましょう。
株式会社KOKACARE代表取締役社長、KOKACAREバドミントンスクールヘッドコーチ。中学校からバドミントンを始め愛知県代表。高校では進学校の旭丘高校に通いながらバドミントンに没頭。慶應義塾大学に進学し関東学生でベスト16。教育業界・人事職を8年勤め、現在は小学生から社会人まで幅広い年代のバドミントン教育に携わる。
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