ネット前でロブしか打てない、ストレートのヘアピンしか打てない、って人が多いですよね。
ネット前は打つまでの時間に余裕がないことから、何を打とうか考える時間がなくて癖で打ってしまうって場合もあります。
また、ネットが浮いて打たれたら嫌だな、ロブで後ろに振られるの嫌だな、とネット前での勝負を避ける方もいるでしょう。
でも試合の後に後悔や反省として口に出すのは、「あのときヘアピン打っておけば」「あのときプッシュ打てた」なんてネット前のことを挙げてきます。
今回はそんなネット前でのショット、バリエーションを増やそう!という練習です。各コースに打ち分けすることができたら、きっと試合展開の主導権を取れますよね。
動画で確認!ネット前の打ち分け
【質を上げる】同じフォームで相手の足を止めよう!ネット前ショットの打ち分け練習(バドミントン)
手投げノックに合わせて、打ち分け練習です。
手投げのポイントは、ネットからどれくらい離した位置に投げるのか、を考えながら行ってみましょう。動画で分かるように、少し離れたところに投げていると思います。この位置から打つと練習しやすいので、参考にしてください。
4隅を狙うショットの打ち方
ストレートヘアピン、ストレートロブ、クロスヘアピン、クロスロブ、それぞれの打ち方は【とにかくやってみる】が一番です。ただ、ラケットの向き(角度)がどうなっているかは意識してください。
基本はストレートヘアピンの形で入り、各コースへ打ち分けます。順番に狙う練習も良いですが、動画のようにランダムに打つ練習も大切です。
試合中、毎回同じコースに打ってしまう、という悩みがある方は特にランダムに打つようにしてください。ノッカーから投げられた瞬間に「次はこれだ!」なんて思いながらできるといいですよね。
常に同じように入るってどういうこと?
ディセプションを入れるときに大切な「常に同じように入る」ということは、動画を見ると理解できると思います。
ひでコーチの「肩」を見ると、よくわかると思いますが常に同じ位置にあります。
- 体の上下が少ない
- 体の左右への傾きがない
- ラケットを出す高さが基本的に同じ
- 同じタイミングで打っている
- わざと違うタイミングで打つときもある
- ラケットの振り幅が少ない
この辺りを意識するだけで変わります。また、何本やるのかも練習ポイントの一つになります。10本で正しい打ち方を習得するのか、20本で疲れてきても同じ姿勢ではいること、足の動き(歩幅や踏み込み方)を変えないように練習するのか、で練習の意味合いが少し変わってきます。
選手が、チームが、現状どちらに練習の比重を置いたほうがいいのか、考えながら練習メニューの本数を組むことも大切です。
技術練習で気をつけること
自分に合う練習方法を探してください。
例えばヘアピンを練習するにしても、
「ネットインさせる!」と何度も挑戦して回数をこなしていくのか、
「膝の角度を変えてみる、次は人差し指の位置、手首の角度変えてみよう、ラケットの高さを変えてみよう」なんて一つずつ試してみるのか、
どっちの方が習得が速いですか?
勉強でも同じですよね。暗記科目の場合、とにかく書いたり読んで暗記するのか、要約して覚えるのか、語呂合わせで覚えるのか、など人それぞれにやり方があると思います。自分に合った練習方法を探りながら行ってみましょう。
学生におすすめ!
部活動やクラブチームの練習で、
練習する→ノートに書き出す→練習する→ノートに書き出す
とインプットアウトプットを自分自身でする。
教えてもらう→教える→教えてもらう→教える
とインプットアウトプットを周りを巻き込んでする。
これだけで習得速度は上がりますし、自分自身の成長にもチームメイトの成長にも繋がります。バドミントンは個人競技のようで、団体戦もあるし相手合ってのスポーツなのでお互いで高めていけたらいいですよね。
上手い選手は、、、
毎日毎日、いつ打ってもヘアピンが入る、ネットに絡むヘアピンが打てる状態は理想です。でも強い選手たちも毎日そんな状態なわけではありません。
だから、試合前の基礎打ちの段階で「今日は浮きやすい」など判断し、試合に臨む人もいるようです。
もちろんオーバーヘッドストロークで判断する人もいると思いますが、指1本、2本の動かし方で変わる繊細なショットだからこそ自分の調子の良し悪しを判断します。
応用編!この練習に取り組もう!
動きをあまり入れずに練習し、感覚を掴んだら実践に近い形で練習していきましょう。
【丁寧に】シングルスのラリー力を磨くなら1点返しを続けよう(バドミントン)
動かされる方の練習に思われがちですが、動かす方もかなり練習になります!
四隅を狙う、高低差を考える、相手の足を止める、取れそうなギリギリを狙う、相手が反応しにくい配球を探す、などただ球出しをするのではなく、実践に活かすために「何を考えて行うのか」を考えてみましょう。
回す方なので、ラリーが続かないのは練習になりません。
だから決めるのではなく、相手が取れる限界を探るように、相手の体制が崩れたのを見分けれるように、相手が次どこにきてほしいと考えてるのか分かると、楽しく取り組めると思います。
【質を上げる】同じフォームで相手の足を止めよう!オーバーショットの打ち分け練習(バドミントン)
ネット前での打ち分け練習を紹介しましたが、勿論!オーバーヘッドストロークからの打ち分けも大切です。常に同じフォームからあらゆるコースに打ち分けることができるように練習してみましょう。シングルスでは特に大切です。
自分の体と対話しながらじっくり取り組むことで、体一つ一つの動かし方を考える時間になると思います。ノッカーはロングサービスのように大きめに出してあげることで、選手は考えながら打つことができます。
その次は、フォア・バックサイドレシーブと合わせてコート中央からの【レシーブの打ち分け】も取り組んでみましょう。きちんとレシーブで奥まで返せるようになってから、取り組みます。
レシーブでのクロス奥に返すのは基本的な技術が身についていないとできません。スマッシュが当たり前に返せるようになったら取り組んでみてください。
レシーブの打ち分け練習は、ノッカーの球出しが難しいです。ラケット打ちで上からだせない場合はネット近くからの手投げで対応しましょう。
まとめ
ネット前を制するものは試合を制する!そんな言葉があるように、ネット前での打ち分けを得意にできたら強くなれます。
打ち分けるコースはコートを細分化すると無限に出てきます。そこにプレーヤーが立つともっと出てきます。
- 単なるフォア前なのか
- 相手が後方にいる時にフォア側のネット前なのか
- バック側の後方に打つように見せてからのフォア側のネット前なのか
- 相手の構えがスマッシュレシーブになったときのフォアが側のネット前なのか
- 相手のボディ近くのフォア側なのか
- 相手が床ギリギリでしか取れないフォア側のネット前なのか
- さっきは同じ位置からバック前に打ったからフォア前に打つなのか
ただのフォア前に落とす、というコースがいろんな方向へ打てるようになることで、様々な選択肢が出てきます。基本のショットを身につけたら、コースの打ち分けをぜひ取り組んでください。
今回ご紹介した打ち分けの技術向上も大切ですが、ネット前に入るフットワークも重要です。足運び、体の動かし方も気にしてみてくださいね!
KOKACAREバドミントンスクールコーチ。小学生からバドミントンを始め、岡崎城西高校・早稲田大学・豊田通商バドミントン部で活躍。インターハイ準優勝、インカレベスト8などの輝かしい成績を残している。2児の母として、子育てをしながら、コーチとして、今までの経験を活かし、『できた!!』が溢れるレッスンを心がけている。
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