トラブルが発生したら「やっちゃった。最悪だ。やらなきゃ良かった。」と自己否定に陥り自分を責めてしまうのか、「なんで失敗しちゃったかな?私はこれ苦手なんだなあ。」とトラブルについて向き合い、考えるのか。あなたはどちらのタイプですか?
これはマインドセットと呼ばれる思考のくせになります。
幼少期から培われた思考のくせは、さまざまな場面で人の行動や精神的なストレスに作用することがわかっています。
「どう育てれば前向きな思考回路になるか」と育児書ではよく目にしますが、これは大人になってからも重要なことです。
今日はスポーツの習い事を通して、マインドセットを知り・身につけることを目標に、どう対応するのがいいか考えていきましょう。
マインドセットとは
マインドセットは無意識化に行われるもので人によって異なります。
それまでの人生の中で起こった経験や教育環境、宗教観や倫理観、価値観や信念といったもの、そして生まれ持った性質も影響していると考えられます。
冒頭で紹介したように知能についてのマインドセットは大きく分けて2種類です。もうだめだ、と考えてしまう「硬直マインドセット」となんで失敗しちゃったかな?と考えたり次に向かう「しなやか(成長)マインドセット」です。
しなやかマインドセットは失敗からの立ち直りも早いとされていますが、それはなぜだと思いますか?
脳の動き|2つのマインドセット
ミシガン州の6~8才の子どもに対して行った実験で、硬直マインドセットの子どもとしなやかマインドセットの子どもそれぞれにゲームを行ってもらい、ゲーム中の失敗に対しての脳波と行動を分析しました。
結果はどちらのマインドの子供も「失敗した!」という脳の動きがあったことがわかったそうです。失敗についてはどちらのマインドセットのグループも同じように「失敗」と認識をしているということです。
その後、失敗に対する個人の注目度を表す数値が硬直マインドセットにくらべてしなやかマインドセットのグループは高く、さらに、それにより失敗後の成功率も高くなったことがわかりました。
ただ、失敗を失敗と思わないで立ち直りが早いわけではなく、失敗した、じゃあどうしよう?悔しいな、もう一回挑戦!と切り替えが早いということです。
さらに、硬直マインドセットの子どもたちは自己否定やネガティブな発言をしたり、失敗から気持ちをそらしたりなどの反応も見られたようです。
例えばバドミントンの試合、負けた後の過ごし方はどうしていますか?
それが良かったのか、悪かったのかわかりませんが、私が所属していたチームでは日曜日は常に1日練習でした。試合が行われるのもだいたい日曜日、試合で負け次第練習に参加するのが当たり前で、「今日の試合はどうしたらよかったのか」と負けたことから逃げ出せない環境がありました。
試合に負けて家に帰っていたら、ゲームしたり遊びに行ったり、きっと負けたということから逃げていたと思います。
強くなりたい、うまくなりたい、という思いがあるなら、試合を振り返る、などの行動や課題の抽出など少しでも向き合う時間が作れるといいですよね。
そのクセ、が付いたらきっと試合に勝っても、「次はどうしよう」「あの球はこうするべきだったな」なんて次の課題も自分で見つけられるかもしれません。
失敗をどうとらえているのかポイント
子どもたちは大人の真似をとってもします。言葉遣いや行動もミラー効果のように反映されます。だからこそ大人、一番身近な親がマインドセットのクセを作っていくことが大切です。
でも、難しいですよね。大人になるほど逃げだしたくなると思います。それも6~8才の子どもたちの段階で差が出るなら、大人になってからでは遅いのではないか、と思った人もいるかもしれません。
マインドセットは「思考のくせ」に当たる部分です。大人でも意識的に直していけるようです。
自らの思考のくせを把握することで、大人である私たちは意識的に行動を変えることができます。
自分が失敗してしまった時のことを思い返してみてください。見なかったことにしたり、自己嫌悪に陥ってしまい引きずることはありませんか?
そんな時はどんなにつらくても意識的に「なんで失敗してしまったのか」に深く注目してみましょう。
それにより、「つらい」というストレスでしかなかった問題についてのとらえ方が変わります。
ここを直せばもうつらい思いをしなくても済む、という気づきにつながり、「この程度の問題だったのか」と失敗のつらさからも解放されるようになります。
よくある育児書の例えでは・・・
子供が食事中に腕がコップに当たってしまってこぼれてしまいました。
「あ、やっちゃった」という子供に対して、「よそ見してるからだよ、なんで気を付けなかったの」と声かけするのか「机の端にコップを置いてたからいけなかったね」「こぼれちゃったなら拭けばいいよね」なんて声をかけるのか。
良い声かけは後者ですよね。
寛大、心が広い、ゆとりがある、そんな人がこういう言葉掛けをするイメージですが、それをすることで得られる効果は自分にも、子供にもあるということを忘れないようにしましょう。
この記事を書いているのは・・・▼
こかけあkidsです。こかけあkidsは日本最大級のバドミントンスクールが運営する、5歳〜10歳向けのバドミントンスクールです。幼少期に備えておきたいバドミントン技術の向上はもちろん、どんな競技や社会でも活躍できる人材の育成(非認知能力の向上)に力を入れています。現在、名古屋市中村区で開校しておりますので、お近くにお住まいの方はぜひ!無料体験にお越しください。youtubeでも情報発信しているのでぜひご覧ください!
Not Yet!まだできてないだけ!が合言葉
「子どもをどう動機づけるのかではなく、子どもがどう自らを動機づけるかを問い続けなければならない」
という言葉があります。指導者も親も、大人も心に留めておきたいですよね。
これ、とっても難しいです!
できなくて悔しがってる子、次のレッスンは行きたくないという子。
どうしましょうか?
①頑張ったらお菓子買ってあげるよ、おもちゃ買ってあげるよ
②〇〇ちゃんもいるし、楽しいよ!〇〇ちゃん待ってるよ!
③この前あと少しだった〇〇、今日練習したら上手になるんじゃない?
④頑張ってるところ見るの好きだな、苦手なことに向き合ってるのすごいなって思うよ、〇〇ちゃん頑張ってるの見たらママも〇〇頑張れそうだよ!
⑤嫌なら休もうか(練習しない日があると、お友達との差がどんどん広がっちゃうね)
⑥できなくて休むなんてカッコ悪いね
ありそうな言葉を出してみました。どれが一番、子どもがどう自らを動機づけして動き出せるか、を考えてあげるのがいいんですよね。
「まだできてないだけ」→「頑張ろう」→「できた!」の成功体験を積み重ねることは、内発的モチベーションの発揮、つまり子どもが自らを動機づけることに繋がると言われてます。
普段の生活で子どもたちのマインドセット、自分のマインドセットのために発する言葉や考えて方のクセを意識してみましょう。
まとめ
まずは、大人であるコーチや親、自分自身が「Not Yet(まだできていないだけ)」のマインドセットをもって日々過ごしていくことで子どもたちの見本になることが大切です。
「○○ちゃんはこれができていないね」と「あとはこれがまだできていないだけだね」に変える、もっと良いのは、「○○ちゃんはこれとあれがとても上手。あとはこれがまだできていないだけだね」です。
子どもたちが習い事を通して成長している姿、感慨深いですよね!それをより充実した将来を見据えて、マインドセット、身につけてみましょう!
KOKACAREバドミントンスクールコーチ。小学生からバドミントンを始め、岡崎城西高校・早稲田大学・豊田通商バドミントン部で活躍。インターハイ準優勝、インカレベスト8などの輝かしい成績を残している。2児の母として、子育てをしながら、コーチとして、今までの経験を活かし、『できた!!』が溢れるレッスンを心がけている。
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