「緩急をつける」と意識したことってありますか?
私にとって、中学・高校生の時の一番の課題でした。
身長も高くない、フットワークのスピードが特別速いわけでもない、力強いスマッシュが打てるわけでもない、運動神経が良いほうではあったけど、ずば抜けて秀でている所がない中で、これだけは伸ばしたいな、と思っていたのが緩急とディセプションでした。
今回は【緩急】の部分について考えていきたいと思います。
引退してから読んだ漫画ですが、ベイビーステップの主人公、栄ちゃんのプレースタイルでもある「チェンジ・オブ・ペース」が私の中でやりたかったことでした。
(エーちゃんはいかにトレーニングを効率化するかによって【時間】を、テニスを理論的に考え、実行し、考察するというロジックなやり方で【センス】を克服していきます。テニスとバドミントンは似ている部分も多いのでぜひ読んでみてね!)
チェンジオブペース|緩急をつけるとは?
自分の得意なペースが、相手にとっても得意なペース、だけど相手の方が一枚上手となると自分は不利になります。
それを自ら先行してペースを変えることによって、相手を見る時間を確保したり、相手の考える時間を減らす速いショットを打つなど、ペースを乱していきます。
緩急をつけると言っても、ショットなのか、自分の動きなのか、両方なのか、組み合わせ方次第ではなん通りもの「緩急」の種類が作れますよね。
速いフットワークでシャトルの下に入ったと思ったらすっごいゆっくりとしたドロップがネットすれすれに入ってきたら、かなり不意をつかれますよね。
練習方法は?カット交互とドライブ合戦
カット交互では、カットとロブの緩急とカットを打ってから前に詰めるスピードの緩急を特に意識します。(カット交互はカット、ショートリターン、ラブ、カット、ショートリターン、ロブの繰り返しです)
相手のポジショニングを見ながら打つコースを見定めます。
ロブは自分の体勢が有利ならアタックロブ、不利であれば大きく上げてラリーをリセットするイメージを持ちましょう。
練習相手のレベルによっては続かないこともあるので、その場合はコートを狭くする、2体1でやるなど、練習方法を工夫しましょう。
ドライブ合戦は半面コートでやります。
基本的にはネットから浮かない球の打ち合いですが、そこにも緩急を入れて次のコースを見定めて詰めます。ダブルスで前に詰める練習にもなります。
例えば、バックハンドからクロスにドライブを打ってストレートに来るであろう球に合わせて前に詰める。
少し緩めに打った球の返球も恐らく緩く返ってくるからそこを詰める。
などいろんな方法があります。
いかに相手より有利に立ってラリーの主導権を握れるかが大切です。
ワンライク上を目指すならラリー中の緩急が大事!
ラリーに緩急をつけてチェンジオブペースができるようになると何がいいか、
私は3つのメリットがあると考えます。
一つ目、タイミングを逃さない
どのタイミングでスピードを上げるとポイントを取りやすいのか、ラリーをしながら「ここぞ」という攻撃の要になるポイントの見定め力が上がると思います。
二つ目、速い動きの習得が必須
緩急の差はあればあるほど、相手の意表をつけますよね。
動きを遅くすると言ってもシャトルに追いつけなければ意味がないので、シャトルの下にいち早く入るフットワークも必要です。
だから速い動きの習得のための練習が必須です。
三つ目、ショットのバリエーションが増える
速いクリアー、緩やかなクリアー
速いカット、緩やかなカット
速いスマッシュ、緩やかなスマッシュ…
なんてショットのバリエーションが増える!
そして、これにコースの内訳もできたら…
速いカットで前に落ちる
速いカットで長めに落ちる
緩やかなカットで前に落ちる
緩やかなカットで長めに落ちる
ストレート、クロス…と沢山増えていきます。
ショットのバリエーションが増えることで、次は何をするか、自分の中の引き出しが増えます。
中学生の時、他チームの監督からのアドバイスで覚えている言葉があります。
「シングルスはどれだけ自分の引き出しを増やすかが大切。ショットを打つ直前に【これにしよう】なんて考えることができたら、もっともっと楽しめる!」って。
そーだよなー!なんて思ったら、「緩急」の練習に取り組んでみてください!
KOKACAREバドミントンスクールコーチ。小学生からバドミントンを始め、岡崎城西高校・早稲田大学・豊田通商バドミントン部で活躍。インターハイ準優勝、インカレベスト8などの輝かしい成績を残している。2児の母として、子育てをしながら、コーチとして、今までの経験を活かし、『できた!!』が溢れるレッスンを心がけている。
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